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医療事務

介護職員の負担を軽減!「介護助手」導入へ

公開日/2023.01.06 更新日/2024.07.22

通常の業務が多岐にわたるうえ、新型コロナウイルス感染症への対応などにより、介護職員の負担はますます増大しています。そこで注目されているのが、介護現場の周辺業務を担う「介護助手」という職種です。介護職員の負担を軽減するだけでなく、介護職員が専門性の高い業務に専念することで、ケアの質の向上につながるとともに、定年後の元気高齢者や介護の仕事に興味のある若者の雇用促進効果も期待されています。

※この記事は 2023年1月6日時点で公開されたアーカイブ記事となります。

周辺業務を担う「介護助手」を導入し、業務を効率化

「介護助手」は、一般的に介護職員が普段行っている業務のうち、掃除やシーツ交換、配膳などの周辺業務を担当します。また、利用者の話し相手や見守りなどの役割を担うこともあります。このように、介護職員と介護助手の役割分担を明確にすることで、介護職員が専門的な業務に専念できる環境を整備し、業務の負担軽減および効率化を図ることが狙いです。

三重県では、他の都道府県に先駆け、2015年度に介護助手の導入を支援する「元気高齢者による介護助手モデル事業」を三重県老人保健施設協会で開始しました。2018年度には、「介護助手導入実施マニュアル」を作成し、介護職員と介護助手の業務の切り分け方のポイントや事例などを整理して、導入を支援しています。また、2019年度からは「三重県介護助手導入支援事業」として実施し、介護助手の募集などに必要な経費として1事業所当たり最大20万円を支援し、2021年度までに延べ84施設がこの事業を利用しています。


多様な働き方が可能になり、介護現場で働く人のすそ野が広がる

介護助手導入のもうひとつの目的として、「多様な働き方への取り組み」も挙げられます。定年後の元気な高齢者には、まだまだ働いて少しでも収入を得たい、社会に貢献したい、と考えている人が少なくありません。そうした高齢者が活躍できる場としても介護現場が注目を集めています。三重県老人保健施設協会で2015年度に実施したアンケート結果によると、「人生の張り合いができた」「70代といえども、まだまだやれる自信がついた」などの声があり、介護予防や健康づくり、社会参加などにも寄与していることがわかります。

介護助手は資格なしでも働け、短時間勤務が可能なケースも多いため、介護の仕事に興味を持つ若年層が気軽に参入できるのも魅力です。多様な働き方、柔軟な雇用形態が浸透することで、介護人材のすそ野が広がることも期待されています。
「介護助手は、それぞれのライフスタイルに合わせた働き方ができるため、多様な人材が働きやすい職種になっていると思います。人材確保が課題となっている介護現場では、介護助手導入マニュアルを活用して業務の切り分けを行い、介護職員がより専門的な業務に専念できるようにすることで、職員の離職防止につながることも期待しています」(三重県担当者)


介護助手の人員配置基準上の位置付けなども検討

前述のアンケート結果では、介護助手導入の効果として、施設から「介護職員の業務量が軽減した」「介護職員が気持ちにゆとりを持って業務ができるようになった」「利用者一人ひとりに丁寧な介護をできる場面が増えた」などの声も上がっており、介護現場にゆとりが生まれることで丁寧な介護につながっていることがわかります。

厚生労働省では、都道府県に介護助手等普及推進員(仮称)を配置し、介護助手の周知活動や希望者の掘り起こしを行う事業を今年度から開始しましたが、「三重県でも介護助手等普及推進員を設置し、元気高齢者などと事業所をマッチングさせる取り組みを行っています。介護助手がさらに浸透するよう、継続的に支援していきたいと考えています」(三重県担当者)

また、厚生労働省は介護現場の生産性を高めるために、介護助手の活用の幅をさらに広げようと、介護助手を人員配置基準上の介護職員として取り扱うことなどについて、次期(2024年度)介護報酬改定の論点とする方針です。都道府県のモデル事業の成果などを検討し、人員配置基準への位置付けや介護報酬による評価のほか、「介護助手」という名称を再考するかについても議論を進める意向を示しています。

介護助手が活躍することで介護現場の生産性が上がり、専門業務に従事する介護職員もよりやりがい・誇りをもって働けるようになるでしょう。

(提供:株式会社日本医療企画)

著者プロフィール

著者:ソラストオンライン
サイト管理人
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