レセプト業務とは?効率化や委託はできる?開業医・病院経営者向けに解説


レセプト業務とは、毎月行われる診療報酬を請求する業務です。診療報酬は医療行為に対する報酬であり、医療機関の収益の柱となります。そのため、レセプト業務には正確性が求められ、請求期限があることから効率化も必要です。今回はレセプト業務について、重要性や業務の流れ、効率化に向けてできることをご紹介します。
レセプト業務とは?
レセプト業務とは、医療機関が診療報酬を請求するための業務です。具体的には、診療内容やかかった費用、処方した薬剤の情報などのもと、保険者に対して請求書を作成します。ここでいう保険者は、協会けんぽや組合健保、市区町村の健康保険の保険者です。
診療報酬は、医療機関の収益を支える柱です。そのため、正確に請求することが重要であり、レセプト業務の適正かつ効率的な遂行が経営状況の安定にも直結します。レセプト業務が円滑に進むことで、医療機関の収益も安定するでしょう。
病院・クリニック経営におけるレセプト業務の重要性
レセプト請求は、病院やクリニックの収益に直結します。病院の収益は、スタッフの人件費や設備・医療機器などの費用をまかなうために欠かせません。その費用を安定して確保するためにもレセプト業務が重要です。
診療報酬では、医療行為に対して1点あたり10円と定められています。病院側が1カ月あたりに行った診療内容を翌月10日までに審査支払機関(国保連合会・社会保険支払基金) に請求することがレセプト業務です。請求が確定するまでには審査があり、請求内容に不備があると返戻や診療報酬の減点が発生して、収益に影響が出てしまいます。
病院経営者・開業医は、安定した収益確保のためにも、レセプト業務の正確性を高め、効率化を目指すことが必要です。レセプト業務がスムーズに行われると経営者は診療業務に時間を割くことができ、結果として患者さんへのサービス向上や病院・クリニックの発展に注力できるようになるでしょう。
レセプト業務の流れ

2.診療情報をレセプトコンピューターに入力する
3.医療事務員が請求内容をチェックする
4.医師によるダブルチェックをする
5.翌月10日までに審査支払機関に提出する
レセプト業務は、基本的に上記の流れで進めていきます。この流れは基本的にどの医療機関でも同じです。正確なレセプト請求のためにも、業務の流れを押さえましょう。
1.電子レセプト請求(システム環境)を準備する
近年、レセプト請求業務は電子システムを使用して行っています。そのため、まずはレセプトコンピューターを準備しましょう。レセプトコンピューターは、通称「レセコン」と呼ばれる医事コンピューターです。
レセプト作成が自動化され、ヒューマンエラーの軽減や業務効率化に役立ちます。
2.診療情報をレセプトコンピューターに入力する
レセプト業務では、まず診療情報を確認し、その内容をレセプトコンピューターに入力します。患者さんの基本情報や診療内容、処方された薬品などを詳細に記録していきます。
なお、電子請求を行う多くの医療機関では、医師が指示を入力して各部署がそれを確認できる「オーダリングシステム」を導入しています。このオーダリングシステムによって入力された医師の指示をもとに、レセプトコンピューターで点数計算を進めていきます。
3.医療事務員が請求内容をチェックする
診療情報の入力が完了したら、医療事務スタッフが目視またはレセプトチェックシステムを利用して内容を確認し、入力内容が正しく反映されているかをチェックします。加えて、診療内容に応じて指定のコメントの記載が必要なものを入力します。これがレセプトの確認・点検作業です。
入力ミスがないか、病名と診療内容に整合性がとれているかなど、細かいポイントまでチェックする必要があります。
4.医師によるダブルチェックをする
医療事務スタッフの確認後は、医師がダブルチェックを実施します。医師が確認をして、漏れのあった病名の付与や症状群記の記載を行います。
医師が最終確認し、レセプト内容が正確だと判断できれば、レセプト作成は完了です。
5.翌月10日までに審査支払機関に提出する
医師の最終確認を終えたら、翌月の10日までに審査支払機関にレセプトを提出します。審査支払機関ではレセプトの審査を行い、レセプト内容に誤りや不備があると「レセプト返戻」や「査定」を受けてしまいます。
「レセプト返戻」があると、医療機関で再度正しくレセプトを作成し再提出しなくてはいけません。また「査定」された場合、診療報酬が減点された状態で報酬が支払われます。どちらも医療機関の収益に影響を与えてしまうため、返戻や査定を受けないよう正確にレセプトを作成することが重要です。
レセプト業務を行ううえでの課題
レセプト業務を行ううえでは、上記のような課題が発生する可能性があります。事前に課題を認識し、対策を検討・講じることが大切です。
未経験・業務経験が浅いスタッフには難しく感じやすい
レセプト業務は電子化されているため、基本的に行う作業はデータ入力です。しかしこれ以外に、正しく請求するためには請求内容を確認・チェックすることも含まれるため、当然知識や経験が求められます。
よって、未経験者には難しいと感じるかもしれません。未経験であったり、経験が浅かったりするスタッフが多いと、なかなか効率的に業務が進まない可能性があるでしょう。
一方で、有資格者や経験者を採用したいと思っても、よい人材が見つからなかったり、人件費がかさんだりするなどの課題も出てきます。
査定(減点)が多いと経済的な影響が大きい
審査支払機関が「不適当な請求である」と判断した場合、減点分を差し引かれた状態で報酬が支払われる査定(減点)が行われます。査定を受けた場合は再請求処理ができないため、医療機関に与える経済的な影響が大きいです。そのため、病名の不足や詳記不十分のための査定は防がなければなりません。
また、請求内容に不備があった場合にはレセプト返戻が行われ、再請求処理が必要です。再請求処理が発生すると収益化するまでに時間がかかってしまいます。
レセプト請求の不備で大きな影響が出ないよう、日頃から適切な資金運用を行うことも大切です。
業務の正確さを保つためにスタッフの教育が欠かせない
レセプト返戻をできる限り減らすには、日頃から正確に業務を遂行することが必須です。そのためには、既存スタッフに向けた教育環境を整える必要があります。
なお、スタッフの教育体制やマニュアルの内容は常に見直すことが求められます。2年に一度の定期的な診療報酬改定もあるため、マニュアルの作成や更新、それに伴う継続的なスタッフ教育も不可欠です。
レセプト業務の効率化に向けて医療機関経営者ができること5選

慢性的な人手不足に悩んでいる医療機関も少なくないでしょう。そうした状況下では、レセプト業務の効率化が必要です。ここでは、レセプト業務の効率化に向けて医療機関経営者ができることを5つご紹介します。
既存スタッフへの教育を徹底する
スタッフが十分なスキルと知識を持つことは、レセプト業務の効率化に欠かせません。
スキルと知識を身につけるには、定期的な研修やセミナーを開催し、最新の情報や技術を学ぶ機会を提供することが有効です。スタッフに自主的に学んでもらうことも有効ですが、現実にはなかなか難しいでしょう。医療機関側がそうした機会を提供することで、改めて学ぶことが可能です。
コストはかかってしまいますが、結果として業務の質が向上し、ミスの減少につながります。
マニュアルを作り、業務の質を一定に保つ
業務マニュアルの整備も、レセプト業務の効率化において重要なステップです。
マニュアルは業務手順が標準化されるため、レセプト業務の質向上につながります。新しいスタッフが入ってきた際も、教育内容が標準化され、迅速に業務に対応できるようになるでしょう。
マニュアルは定期的に見直しを行い、法改正や業務の変化に対応することがポイントです。外部コンサルタントに意見を募ることも改善のポイントの一つです。
業務マニュアルの整備も、レセプト業務の効率化において重要なステップです。
マニュアルは業務手順が標準化されるため、レセプト業務の質向上につながります。新しいスタッフが入ってきた際も、教育内容が標準化され、迅速に業務に対応できるようになるでしょう。
マニュアルは定期的に見直しを行い、法改正や業務の変化に対応することがポイントです。外部コンサルタントに意見を募ることも改善のポイントの一つです。
有資格者や経験者の採用を進める
スタッフ不足の場合は、医療事務管理士をはじめとした医療事務の有資格者や、経験者に絞って採用を進めることも有効です。「未経験OK」の採用に比べると募集が集まりにくい可能性がありますが、採用後に育成コストがかからなかったり、即戦力となってくれたりする点ではメリットがあります。
採用にかかる費用や人件費との兼ね合いも考え、求人媒体の選定や魅力的な求人広告の作成を行ったり、資格手当の付与や資格取得支援のような待遇面の改善などを考慮したりすると良いでしょう。
レセプトチェックソフトを導入する
レセプトチェックソフトは、診療報酬明細書の記載内容が正しいかどうかをチェックしてくれるシステムです。システムを導入することで、病名や算定漏れのチェックができ、業務の効率化につながります。
レセプトチェックソフトは複数のメーカーから販売されているため、導入を検討するのがよいでしょう。
外部業者へレセプト業務を委託する
レセプト業務の一部を外部に委託することも、効率化を図る有効な手段です。専門の人材に業務を任せることで、業務の品質を確保しつつ、内部リソースを他の重要な業務に集中させられるでしょう。
なお、ソラストでは、レセプト点検やオンライン請求業務をリモートで代行するサービス、「iisy」をご用意しています。さらに、「医療機関経営支援サービス」では、独自のシステムツールを用いてレセプトと診療録を突合して保険請求上の算定漏れや請求誤りがないかを確認し、その結果を医療機関にFBする「レセプト精度調査」も行っています。詳しくは、以下をご覧ください。
レセプト業務の効率アップ!ソラストの医療DXパッケージ「iisy」

レセプト請求業務をスムーズに進めたかったり、代行や委託を検討していたりする場合、ソラストの医療DXパッケージ「iisy」がおすすめです。「iisy」では、各医療機関で行われてきたレセプトチェック、オンライン請求などの医療事務業務をリモートで代行するサービスを展開しています。
状況に合わせて選べる3つのプラン
・レセプト点検診療報酬請求まるっとプラン
・訪問まるっとプラン
ソラストの「iisy」では、3つのプランからそれぞれの事情や状況に合わせて選ぶことが可能です。
「レセプト点検診療報酬請求まるっとプラン」「訪問まるっとプラン」では、ソラスト側でレセプト業務を代行します。「レセプト点検プラン」では、医療機関側で行ったレセプト業務のエラーについて、ご契約中好きなタイミングでチェック・質問ができるサービスや、レセプト請求が正しく行われてるかチェックを委託するサービスをご用意しています。
ソラストが培ってきた医療事務業務の豊富な経験と高い専門性を通して、高品質なサービスの提供が可能です。レセプト業務の委託により現場の業務負担が軽減できるだけでなく、レセプト業務の質向上や効率化を実現できます。
レセプト業務とは診療報酬を請求し、医療機関の収益を確保するプロセスです
レセプト業務とは、医療機関の収益の柱となる、診療報酬を請求する業務です。レセプト業務は毎月行われ、医療機関の収益に関わることから正確性が求められます。また、現場では他の業務も並行しなければならないため、効率化を目指す必要があります。
しかし、スキルのある人材が採用できない、スタッフの教育に手が回らないといった場合もあるでしょう。
レセプト業務の効率化でお悩みの病院経営者さま開業医さまには、ソラストの医療DXパッケージ「iisy」がおすすめです。医事業務をリモートで代行し、各医療機関のスタッフが医業に集中できる環境をサポートいたします。