生まれ持った脳の特性であり、個性の1つと捉える
発達障害とは、先天的な脳機能の違いによって日常生活に困難が生じる状態を言います。生まれ持った脳の特性によるものなので、大人になってからなるわけではありません。「障害」と言っても特定の人が抱えるものというより、その人と環境との関係性のなかで変化する状態であり、誰もが持つ個性の1つと捉えるといいでしょう。
代表的な発達障害としては、自閉症スペクトラム障害(ASD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)が挙げられます。発達障害者支援法では、トゥレット症候群などのチック障害や、吃音なども支援の対象としています。
人によっては2つ、3つと複数を併せ持っています。図表に主な特性を挙げていますが、あくまでも一例であり、ほかにもさまざまなタイプの特性があります。これらの特性に該当するから発達障害だと断定できるものではありませんが、知的障害を伴わない人が多く、本人や周囲が気づいていない潜在的な発達障害の人はかなりいるとされています。