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看護助手とは?仕事内容や適性・採用のポイントを病院経営者向けに解説

公開日/2024.12.03 更新日/2024.12.02

看護師の負担軽減や人材不足を解決するために、「看護助手」の採用を考える病院経営者さま、開業医さまは多いでしょう。しかし、実際によい人材を見つけるのは難しく、採用が思い通り進まないケースも多いはず。そこで今回は、看護助手を採用する利点・注意点や採用時に見るべきポイントをご紹介します。

看護助手とは?

看護助手とは、看護師の業務を支援する役割をもつ職種です。
医療行為以外の看護業務を担い、看護師が医療業務に集中できるようサポートします。

看護助手とは、病院やクリニックなどで看護チームに加わり、看護師をサポートする職種です。「看護補助者」や「ナースエイド」、「病棟クラーク」など、さまざまな呼び方があります。

看護助手は、看護師が専門的な医療業務に集中できるように支援します。具体的な業務内容は、患者さんの身の回りの世話や病院・クリニック内の清掃、物品の管理などです。

看護助手として働くために必要な資格はありませんが、その代わりに医療行為には携われません。しかし、医療チームの一員として看護師をサポートし、患者さんの病院での生活の質を向上させるために重要な役割を果たしています。

看護助手の主な仕事内容は、医師や看護師の補助、検査準備や移送などです。看護師の業務を支援する役割に変わりはありませんが、病院とクリニックでは看護助手の仕事内容がやや異なります。

主に違いがあるのは、病院の入院病棟に属する看護助手の仕事内容です。看護師の補助や検査準備といった基本的な業務は同じですが、患者さんの身の回りのケアを行うのは入院病棟の看護助手ならではの仕事。クリニックや病院の外来の看護助手に比べて、より患者さんに近い立場で仕事をします。

患者さんの身の回りのケア

看護助手の主な業務の1つが、患者さんの身の回りのケアです。具体的には、患者さんの食事や着替えの補助、入浴のサポートなど、日常生活に必要な基本的なケアを提供します。

また、患者さんとの日々のコミュニケーションを通じて、悩みや不安を聞くこともあるでしょう。

なお、患者さんの身の回りのケアを行うのは、病院の入院病棟に所属する看護助手です。より患者さんに身近な立場で看護補助業務を提供し、看護師や医師などの他スタッフを支援します。

看護師のサポート

看護助手は、看護師の業務を円滑に進めるためのサポート役として活躍します。具体的には、診療や検査で使う医療機器や物品の準備・片付け、患者さんの移送などです。

看護助手がこれらの業務を担うことで、看護師はより専門的なケアに集中でき、効率よく業務を行えるようになります。患者さんに対して質の高い医療サービスが提供できるようになるでしょう。

看護助手は看護師の補佐役として、医療現場のチームワークを支える重要な存在です。

病院内の環境整備

病院内の環境整備も看護助手の重要な役割の一つです。清潔で安全な医療環境を維持するため、病室や共用スペースの清掃、消毒や備品の整理整頓などといった環境整備を行います。

また、看護助手は病院内の物品の在庫管理や補充も担当します。必要なときに適切な医療を提供するには、診療や検査に使う物品が常に揃っていなければなりません。看護助手がこうした管理も担うことで、医療スタッフがスムーズに業務を遂行できます。

ただし、環境整備を担当するかどうかは、医療機関の規模によって異なります。

看護助手の給料

平均月給 平均年収 平均年間賞与
看護助手 約22.2万円 約318.3万円 約51.3万円
看護師 約35.2万円 約508.1万円 約85.6万円
准看護師 約28.6万円 約407.1万円 約62.9万円

参考:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」

※平均年収:きまって支給する現金給与額×12+年間賞与その他特別給与額(1,000円未満切り捨て)にて算出

厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、看護助手の平均月給は約22.2万円、平均年間賞与は約51.3万円、単純計算による年収は約318.3万円です。

看護助手の給料は勤務する医療機関の規模や地域、経験年数によって異なります。医療機関の規模が大きいほど、月給や賞与、年収の額も高くなる傾向にあります。

なお、看護師や准看護師の給与は上記の通りです。看護師は国家資格が必要な職種であるため、看護助手や准看護師より高い給与水準となっています。

看護助手の処遇改善

看護助手の給料について、政府は「デフレ完全脱却のための経済対策」に基づく処遇改善事業に取り組んでいます。病院や有床診療所に勤務する看護助手を対象に、給料を引き上げるための措置にかかる経費を補助する事業を実施。

また、令和6年度診療報酬改定において、看護職員や看護補助者を含む医療関係職種に対する処遇改善の加算(ベースアップ評価料)も新設されました。

よって、今後少しずつではあるものの看護助手の給料が引き上げられていくことが予想されるでしょう。

看護助手を採用する利点・注意点【病院経営者・開業医向け】

看護助手を採用する利点 看護助手を採用する際の注意点
・看護師の負担軽減を目指せる
・有資格者の採用より人件費を抑えやすい
・看護補助体制充実加算を算定できる(要件を満たす場合)
・教育・研修体制を整える必要がある
・理想の人材が見つからないケースもある

近年、高齢化の進展もあり、医療需要の増加から現場がひっ迫している医療機関も多いでしょう。資格や経験を問わない点で、看護助手は確保しやすい人材と考えている方もいるかもしれません。しかし、それゆえに採用には注意点も必要です。

ここでは、病院経営者や開業医の方に向けて、看護助手を採用する利点や注意点を紹介します。

看護助手を採用する利点

・看護師の負担軽減を目指せる
・有資格者の採用より人件費を抑えやすい
・看護補助体制充実加算を算定できる(要件を満たす場合)

看護助手がいることで看護師の業務の一部が分散され、看護師の負担軽減が目指せます。また、看護助手は無資格・未経験から目指せる職種です。有資格者の看護師を採用するのと比べて、人件費の負担を抑えやすい利点もあります。

人件費とのバランスをとりながら、業務の効率化と看護師の負担軽減を図れる点は看護助手を採用する大きなメリットです。

また、令和5年度以前から、以下も算定において加算される要件とされています。

・看護補助者を採用することで、急性期看護補助体制充実加算などの施設基準要件を満たしている場合
・看護補助者を夜勤帯に配置している場合
・看護職員との業務分担や協働に資する体制が整備されている場合

さらに、令和6年度の診療報酬改定において、看護助手に対する評価の見直しが行われました。看護補助体制充実加算1、2、3の3つに分かれており、それぞれ一定の要件を満たせば加算を取得できます。

看護助手を採用する際の注意点

・教育・研修体制を整える必要がある
・理想の人材が見つからないケースもある

看護助手は無資格でも働ける職種です。しかし、病院内やクリニック内で教育・研修体制が整っていないと、無資格・未経験者を採用した場合に人材育成が進みにくい点が懸念されます。

さらに、看護師などの有資格者に比べて、採用がスムーズに進まない可能性もあるでしょう。看護助手は「業務が大変」「きつい」といった一般的なイメージが持たれているおそれがあるからです。看護助手として働くための条件は難しくないものの、ネガティブなイメージからなかなか応募が集まらず、応募者の母数が少ないことで理想の人材をすぐに見つけるのが難しいケースも少なくありません。

看護助手の採用には、人材の選定や求人の打ち出し方、任せる業務の範囲を工夫するなどして採用活動を進めることが必要です。

看護助手の採用で見るべき4つのポイント【病院経営者・開業医向け】

人材不足が深刻な問題となっている医療現場において、提供する医療の質を低下させないためには看護助手の存在が解決策の一つとなり得ます。しかし、そのためには採用する看護助手の質が重要です。

ここでは、看護助手の採用で見るべき4つのポイントをお伝えします。

医療・介護業界の経験があるか

医療業界や介護業界での経験がある人材は、即戦力の看護助手として期待できます。業界特有のルールや用語、雰囲気に慣れている可能性が高く、看護助手の業務をスムーズに覚えてくれるでしょう。

また、医療や介護現場での経験を持つ人は、緊急事態の際も冷静に対処できるスキルがある場合が多いです。職場での信頼性が高まり、他のスタッフからも頼りにされる存在となってくれます。看護助手を採用する際は、過去の経験を見ることをおすすめします。

コミュニケーションスキルが高いか

看護助手は、患者さんやそのご家族、現場のスタッフと頻繁に接する職種です。そのため、優れたコミュニケーション能力が求められます。

コミュニケーションスキルが高いと、看護師や医師などの医療スタッフとの連携もスムーズに進みます。会話をするときは明確で理解しやすい言葉を使えるかどうか、相手の気持ちに寄り添った対応ができるかどうか、といった点が重要です。

奉仕精神や責任感を持っているか

看護助手として働く上では、奉仕精神が不可欠です。奉仕精神がある人は、患者さんの些細なニーズにも気づき、細やかな配慮ができます。看護チームのために尽力できるため、職場全体の雰囲気もよくなる可能性があるでしょう。

また、医療現場は命を預かる場所であることからも、責任感を持って業務に取り組めるかも大事な要素です。

関連資格を取得しているか

看護助手は無資格・未経験からでもできる仕事ですが、関連する資格を取得している人材であれば、より即戦力として期待できます。関連する資格の例として、「介護職員初任者研修」や「介護福祉士」などが挙げられます。

これらの資格は看護助手としてのスキルを証明するものとして有用です。今は資格がなくても、今後取得を目指しているなど、意欲が高い人材であるかどうかもチェックするとよいでしょう。

看護助手の採用にお悩みならソラストのサービスがおすすめ

看護助手は、現場の人手が足りていない、より質の高い医療を提供したいといった場合に活躍してくれます。しかし、看護助手の採用は簡単ではありません。

看護助手の採用をよりスムーズに進めたい、よい人材を確保したい場合にソラストのサービスがおすすめです。ソラストでは、医事関連の人材派遣・紹介サービスを展開しています。さまざまな業務に対応できるスタッフを、スポット派遣やユニット型派遣など、幅広い形態での派遣が可能です。

人材不足や採用コストにお悩みの病院経営者さま、開業医さまをサポートいたします。

看護助手は医療の質向上・現場の効率化に貢献する存在

看護助手は看護師のサポート役を担う職種です。看護助手がいることで看護師は専門的なケアに集中でき、結果として提供する医療・看護の質の向上を目指せます。人材不足により多忙を極める現場では、看護助手の存在が大きな助けとなるでしょう。

看護助手を採用したいと考えていても、なかなか理想の人材を見つけるのは難しいもの。ソラストでは、看護助手や医師事務作業補助者など医事関連の人材派遣・紹介サービスを展開しています。看護助手の採用や自院の人材不足でお悩みの病院経営者さま、開業医さまはぜひご相談ください。

著者プロフィール

著者:ソラストオンライン
サイト管理人
お役に立つ情報を提供しています。

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