医療事務の電話対応例文11選!基本の心構えや電話対応力を高める方法を解説
医療事務の電話対応力は、医療機関の第一印象を左右します。医療機関にはさまざまな電話がかかってくるため、臨機応変に対応できる人材の教育が重要です。この記事では、医療事務の電話対応を例文付きでご紹介。基本の心構えや医療事務の電話対応力を高める方法も解説しますので、病院経営者様、開業医様はぜひ参考にしてください。
【基本】医療事務の電話対応例文3選
医療事務として、電話を受ける場合の例文を3つご紹介します。基本的な対応について知っておきましょう。
例文1:電話をとるときの対応
おはようございます、〇〇病院でございます。
電話を受けたときには、明るい声で医療機関名を名乗りましょう。最初のあいさつは、時間帯に合わせて変更します。医療機関によっては、最初のあいさつのマニュアルがある場合もあるため、他スタッフの電話の受け方などもチェックが必要です。
一般的には3コール以内で出るのがよいとされていますが、出るのが遅れた場合には、「お待たせしました」の一言を添えるとよいでしょう。
電話対応は医療事務において非常に重要です。とくに最初の一言は医療機関の印象を左右するため、丁寧にあいさつしましょう。
例文2:相手の名前と用件を伺うときの対応
お名前を伺ってもよろしいですか?本日はどうされましたか?
相手の名前を伺い、その名前で呼ぶことで対応がスムーズになり信頼感も増します。名前を呼んで聞き間違えをしていないか確認し、名字のみ名乗られた場合にはフルネームを聞くようにしましょう。
また、名前を聞いた後に具体的な用件を確認すると、それに合わせた適切な対応ができます。迅速かつ的確な対応をすると、電話の時点で患者さんの満足度を向上させることができるでしょう。
例文3:電話を切るときの対応
〇月〇日〇時にお待ちしております。どうぞ、お気をつけてお越しください。
電話を切る際の対応は最終的な印象を左右します。最後まで丁寧な対応を心がけましょう。相手が話し終えたことを確認したら、「ありがとうございます」など感謝の意を伝えるのもポイント。診療の予約の場合には、例文のように日時を再度確認し、お待ちしていることを伝えるとよいでしょう。
【ケース別】医療事務の電話対応の例文8選
・【患者さんからの予約確認・変更】電話対応の例文
・【患者さんからの問い合わせ】電話対応の例文
・【医療機関や薬局からの問い合わせ】電話対応の例文
・【メーカーからのセールス】電話対応の例文
・【担当者に確認が必要なとき】電話対応の例文
・【折り返しの電話が必要なとき】電話対応の例文
・【クレームに対応するとき】電話対応の例文
医療事務として受ける電話は、患者さんだけに限らず、医療機関やメーカーの場合もあります。また、ときにはクレームに対応しなければならないこともあるでしょう。ここではシーン別の対応を例文で紹介します。
【患者さんの予約をとるとき】電話対応の例文
お名前とご希望の日時をお知らせください。
本日は◯時からご予約可能ですが、ご都合はいかがでしょうか。
患者さんの予約をとる際の電話対応は、分かりやすさも求められます。まず明るく丁寧にあいさつしましょう。患者さんの名前と希望日時を確認し、予約可能な日時を提示します。
診療を急いだ方がよい場合には、当日空きのある時間を提示しましょう。予約確定後は日時を復唱して間違いがないか確認し、来院時の注意点も伝えます。
【患者さんからの予約確認・変更】電話対応の例文
お名前とご予約されている日時をお知らせください。
◯月◯日の◯時への変更が可能ですが、ご都合はいかがでしょうか。
患者さんからの予約確認や変更の電話対応では、丁寧かつ迅速に行うことが求められます。確認に時間を要したり、予約していたはずの内容があやふやだったりすると、不安を感じさせてしまいます。患者さんの名前と予約内容を確認し、落ち着いて情報を照らし合わせましょう。
変更が必要な場合は新しい予約日時を提案し、患者さんの希望に沿った対応を行います。すでに予約で埋まっていて患者さんの希望に沿えない場合には、お詫びをしたうえで、「〇日の〇時、または〇時からでしたらご予約を承ることができますが、ご都合はいかがでしょうか」などと、別の候補日を提案しましょう。予約の確認や変更を通じて、患者さんの信頼を得られるような対応が求められます。
【患者さんからの問い合わせ】電話対応の例文
お名前と症状を教えてください。
担当者に確認してまいりますので、少々お待ちいただけますでしょうか。
患者さんからの問い合わせに対する電話対応は、さまざまなケースがあり、医療事務の重要な役割でもあります。電話を受けた際は明るく元気な声であいさつをし、患者さんの名前と用件を確認してから、適切な対応を行いましょう。受診後の症状の悪化などで、急ぎで受診した方がよいか、などの問い合わせもあるため、ヒアリングをしたうえで必要に応じて医師への取り次ぎや、指示を仰ぎます。
問い合わせ内容が複雑な場合は、担当者に確認してから電話を取り次ぐなど、患者さんに安心感を与える対応が必要です。
【医療機関や薬局からの問い合わせ】電話対応の例文
××様、お世話になっております。〇〇に確認致しますので、少々お待ちください。
××様、お世話になっております。あいにく〇〇は診察中ですので、伝言を承ります。
医療機関や薬局からの問い合わせも、まず医療事務が対応します。相手の名前と用件を確認し、必要に応じて担当者に取り次ぎましょう。診察中の医師や、不在の担当者に関しては折り返しの連絡先を確認し、メモを取ります。伝言を承る場合には正確に聞き取り、間違いがないか復唱するようにしましょう。
【メーカーからのセールス】電話対応の例文
お世話になっております。あいにく○○は診察中ですので、代理で対応いたします。
お世話になっております。ただいま〇〇に確認いたしますので、少々お待ちください。
メーカーからのセールス対応も、医療事務の重要なスキルのひとつです。まず相手の会社名と担当者名を確認し、セールスの内容を聞いた後、適切な対応を選択しましょう。医師や薬剤師への取り次ぎ、資料の郵送など、医療機関によってある程度決められている場合には、それに沿った対応をします。保留にする場合でも、今後の付き合いを考慮し、丁寧な対応を心がけましょう。
【担当者に確認が必要なとき】電話対応の例文
担当者に確認してまいりますので、少々お待ちいただけますでしょうか。
大変お待たせいたしました。〇〇の件については××にてよろしくお願いいたします。
医療業界は専門的知識が必要な内容も多く、担当者に確認が必要な場合もあるでしょう。そのような場合には問い合わせ内容を確認し、相手に確認が必要な旨を丁寧に伝えてから保留にします。
保留音の存在を伝えておくことで、安心感を与えることもできます。担当者に確認した結果を迅速かつ丁寧に伝え、お待たせしたことを謝罪することも忘れずに行いましょう。
【折り返しの電話が必要なとき】電話対応の例文
大変申し訳ございませんが、確認にお時間をいただきたいため、本日夕方までに折り返しご連絡させていただきます。
すぐに回答ができない場合は、相手にその旨を丁寧に伝えます。確認して答えられる場合には、「申し訳ございませんが、ただいま確認中ですので、少々お待ちいただけますか?」というフレーズが適切です。
確認に時間がかかる場合は、折り返しの連絡を提案しましょう。時間を計算しながら、本日中、翌日などある程度の折り返し連絡のタイミンングを伝えておくと安心感を与えられます。ただし医療機関という特性上、急ぎの用件にはできる限り迅速に対応することが重要です。
【クレームに対応するとき】電話対応の例文
ご不快な気持ちにさせてしまい誠に申し訳ございません。
差し支えなければ、その際の状況を教えていただけますでしょうか。
トラブル対応も医療事務の重要なスキルです。冷静に相手の話を聞き、問題の原因を特定するようにしましょう。問題があって電話をかけてきているため、頭に血が上っていることもあります。おだやかな声で対応し、適切な対応方法を考えて、迅速に解決策を提示しましょう。
日頃から、定期的な研修やシミュレーションを通じて、トラブル対応のスキルを磨くことをおすすめします。
医療事務が電話対応するときの6つの心構え
・電話は基本的に3コール以内に受ける
・ゆっくりと明るいトーンの声で話す
・電話内容のメモを取りながら話す
・正しい言葉遣いを身につける
・患者さんからの電話には気遣いの言葉を添える
医療事務として電話対応する際に心がけたい6つのポイントについてご紹介します。
電話の対応力が医療機関の印象に直結する
電話の対応力は、医療機関の第一印象を大きく左右するものです。電話対応は医療事務の業務の中でも大きなウエイトを占めるといえます。丁寧で親切な電話対応で、患者さんの信頼感を高めましょう。
また、電話対応力を向上させることは、病院内で医療事務としてのスキルが高さを認めてもらえるうえ、その医療機関への信頼性や評判アップにもつながります。自身の対応が重要であることを意識して取り組みましょう。
電話は基本的に3コール以内に受ける
電話は、基本的には3コール以内に受けましょう。コールしてもなかなか出てもらえないと、相手を不安にさせてしまう可能性があります。
他の業務にあたっていて電話に出るのが遅くなってしまったときは、最初にお詫びの言葉を添えましょう。「大変お待たせいたしました。〇〇クリニックでございます」など一言添えるだけで、相手が受ける印象が変わります。
ゆっくりと明るいトーンの声で話す
電話対応では顔が見えないため、声のトーンや話し方にもひと工夫必要です。少しスピードをゆっくりにし、明るいトーンの声で受け答えすることがおすすめ。相手に安心感を与えられるでしょう。
また、患者さんの中には高齢の方もいます。急いで話すと、相手に不安や緊張を与える可能性も。分かりやすく丁寧な説明を、通常の会話をするのに比べて少し遅めのスピードで行うとよいでしょう。ハキハキとした口調で伝えることも重要です。
電話内容のメモを取りながら話す
電話内容のメモを取りながら話すことは、医療事務において必須のスキルです。問い合わせ内容を正確に記録することで、後の確認にも役立ちます。患者さんの症状や質問を聞き逃すことなく、細かい点まできっちりと記録していきましょう。
確認や伝言の際にも、その記録によってちょっとした変化に気付けることもあります。また、メモを取ることで情報の漏れを防ぎ、話の流れも把握しやすくなるでしょう。
正しい言葉遣いを身につける
正しい言葉遣い、正しい敬語で話すことは医療事務として働くうえで非常に重要です。丁寧な対応をしていても、敬語の使い方が間違っていては、信用度も下がってしまうでしょう。顔が見えない電話対応では、とくに丁寧な言葉遣いを心がけ、正しく使うことが大切です。
OK例 | NG例 |
---|---|
◯◯様でいらっしゃいますね | 〇〇様でございますか? |
〇〇の時間帯はいらっしゃいますか? | 〇〇の時間帯はおられますか? |
〇〇でございます | 〇〇になります |
お待ちください | お待ちになられてください |
気遣いの言葉やクッション言葉を添える
患者さんからの電話対応には、正しい敬語だけでなく、患者さんの気持ちや体調に寄り添う気遣いの言葉を添えましょう。気持ちに寄り添う対応は、患者さんの不安や不快感を和らげます。たった一言であっても不安な気持ちを和らげ、安心して受診することができるでしょう。
【気遣いの言葉・クッション言葉の例】
気遣いの言葉 | クッション言葉 |
---|---|
・お気をつけてお越しください ・お大事になさってください |
・恐れ入りますが ・差し支えなければ ・お手数ですが |
【開業医・医療機関向け】医療事務の電話対応力を高めるには
医療事務の電話対応力を高めるために、マニュアル作成や教育体制を整えるとよいでしょう。具体的な方法についてご紹介します。
電話対応のマニュアルを作成する
新人スタッフも安心して対応できるよう、電話対応のマニュアルを用意しましょう。予約受付や問い合わせなど、医療機関にはさまざまな電話がかかってきます。電話を受けてからの手順について、よくある項目ごとにまとめておくのがおすすめ。
また、使うべき言葉遣いやNG集、FAQへの対応方法を詳細に記載するとよいでしょう。マニュアルを作ったら定期的に見直し、最新情報に反映させることで、医療事務のさらなる教育につながります。
医療事務の教育体制を整える
医療事務の教育体制の整備は、業務効率アップだけではなく、サービス品質向上に役立ちます。新人スタッフが迅速に業務に慣れるよう、教育体制を整えたり定期的な研修や勉強会を開催したりして、常にスキルアップできるよう環境を作りましょう。最新の医療情報や法規制の知識を更新するよい機会にもなります。
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医療事務の丁寧な電話対応で、イメージアップを図りましょう
医療事務の電話対応例文や重要性についてご紹介ました。直接患者さんと触れ合う機会の多い医療事務は、電話対応も大切な業務のひとつです。顔が見えないため、より接遇力が求められます。シチュエーション別の例文もご紹介しましたので、丁寧かつ的確な対応ができるよう、研修や勉強会などを通して取り組んでください。
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