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病院の待ち時間対策10選!改善が必要な理由や患者さんの満足度を上げる方法を解説

公開日/2024.08.27 更新日/2024.08.16
病院の待合室
病院の待合室

病院の待ち時間について対策していますか?待ち時間が長いことはリピート率を下げ、病院の評判を落とす原因にもなります。そこで本記事は待ち時間を短縮するための対策や、業務効率をアップさせる方法を紹介します。患者さんの満足度を上げ、選ばれる病院を目指しましょう。

病院における患者さんの待ち時間は実際どれくらい?

病院の待ち時間に関するアンケート

参照:厚生労働省「令和2(2020)年受療行動調査(確定数)の概況」

上記の調査結果から、どの種類の病院でも外来患者の待ち時間は「15分未満」が最も多くなっていることがわかります。通常時でも待たされることはストレスですが、とくに体調が悪い時や忙しい時に長時間待たされることは、大きなストレスとなるでしょう。

なお予約制の病院であっても、急患や診療の進行状況によっては待ち時間が延びることがあります。

待ち時間に対する患者さんの満足度は?

病院の待ち時間における満足度のアンケート結果

参照:厚生労働省「令和2(2020)年受療行動調査(確定数)の概況」

令和2年の調査によると、病院の外来において「診察までの待ち時間」で、「満足」または「普通」と答えた人は全体の73.7%です。これに対し「不満」と感じる人の割合は24.1%と全体の3分の1以下で、不満の割合は少ないことがわかります。しかし、少ないとはいえ、一定数の人が待ち時間について不満を抱えているのも事実です。

さらに、医師の診療や治療内容、病院スタッフの対応などに対する満足度に比べて、待ち時間の不満度はやや高めである点にも注意が必要です。つまり患者さんにストレスを与えないよう、待ち時間に工夫を凝らすことが病院に求められていることがわかります。

病院で待ち時間対策が必要な3つの理由

データから待機時間が患者さんの満足度に重要であることがわかりました。次に病院で待ち時間を減らす対策が必要とされる、3つの具体的理由について詳しく解説します。

待合室が混雑して快適性を損なう

待ち時間が長く、いつまで待たされるか見通しも立たない状態では、多くの患者さんが待合室で順番待ちをすることになりかねません。待合室がいっぱいになってしまい、名前や番号を呼び出しても気づきにくかったり、探し出せなかったりするなどの混雑を招く可能性もあるでしょう。

また、本来は整備された待合室であっても、想定以上の人数が密集すると快適性が損われ、ストレスに感じる場合もあるかもしれません。

患者さんのリピート率が下がる

待ち時間が長いことは、再度来院するかどうかの判断にも影響を与えます。とくに忙しい人にとって待ち時間が長いことは大きなストレスとなり、他の病院を検討することにもなりかねません。

近隣にある他の病院が待ち時間短縮の対策を講じている場合には、そちらを選ぶこともあるでしょう。さらに、口コミやレビューサイトでの評価も低くなりがちで、新規の患者さんの獲得にも悪影響が出ます。

患者さんへのサービスの質が低下する

待ち時間の長さに不満を感じいてると、診察時のコミュニケーションも円滑に進まない場合があります。とくに長時間の待機は高齢者や持病を持つ方にとって大きな負担で、ようやく診察となったときには精神的に疲れ切っていることもあるでしょう。

待ち時間が長くなってしまうと、少しでもお待たせしないようにと気を遣う必要があり、スタッフにも精神的負担がかかります。それによって細かなミスが増えたり対応が雑になったりする可能性も。

このように病院全体に影響をおよぼしかねないため、待ち時間の短縮は病院にとって非常に重要なポイントといえます。

病院で待ち時間が長くなる3つの原因

病院の待合スペース

できるだけ短くする重要性は分かっても、どうしても待ち時間は長くなってしまいやすいです。ここでは、待ち時間が長くなってしまう3つの原因について解説します。

患者さんの来院時間に偏りがあるから

患者さんの来院時間の偏りは、待ち時間が長くなる原因のひとつ。とくに午前、午後の診察が始まってすぐの時間や、午前の診察が終わる直前、夕方の診療終了直前などが混み合いやすい時間帯です。こういった偏りがあると、混雑を防ぐための準備をしっかりと行ったとしても、予想以上の来院者によって待ち時間が長くなってしまいます。

病院内の業務量が多いから

病院内の業務量が多さも、待ち時間が長くなる主な原因です。とくに大規模な病院では、各科の連携や情報共有が必要となり、業務の複雑さが増します。患者さんの目に見えない部分での作業量が多いと「なぜこんなに待たされるのだろう」と疑問を持たれ、待たされる側のストレスも大きくなりがちです。

さらに、医療スタッフの数が限られている場合には業務の効率が低下したり、診療のスピードが遅くなるなどの要因により、待ち時間が長くなる傾向があります。

急患で順番が変わる場合もあるから

急患の対応は、病院の重要な役割です。緊急の処置が必要となるため、他の患者さんの順番を後回しして対応することになります。患者さんも、急患のために順番が遅くなることを理解しつつも、長い待ち時間にストレスを抱えてしまうこともあるでしょう。

そのため、急患対応の重要性を説明しつつ、他の患者さんの待ち時間をできるだけ短縮する工夫が求められます。

病院の待ち時間対策におすすめの方法10選

ICT化されている医療機関の待合スペース

待ち時間を短くすることは病院にとって重要な課題です。そこで病院の待ち時間を減らすための、10の対策を紹介します。

順番管理システムを導入する

順番管理システムは、患者さんはもちろんスタッフの負担も軽くできるツールです。スタッフは急患の対応や診療の進行に応じて柔軟に順番を調整できます。また、患者さんもシステムを通じて待ち時間の情報を把握できるため、自分の予定を立てやすくなるでしょう。

順番管理システムの導入は、病院の待ち時間を大幅に短縮し、待ち時間がストレスを軽減することに役立ちます。

待ち時間が可視化できるシステムを導入する

待ち時間が可視化できるシステムを導入することで、患者さんは自分の順番までどれくらいかをリアルタイムで確認でき、ストレス軽減につながります。順番が分かれば待合室から少し離れたり、売店に行ったりするなど病院内での待ち時間を有効に使えるでしょう。

また、経営者側も、時間のデータを分析し、ピーク時の混雑状況が把握できることは大きなメリットです。分析結果をもとに、業務の効率化やスタッフの適切な配置が可能になるでしょう。

医療ICTを導入し業務の効率化を目指す

医療ICTを導入することで、病院内の業務効率は大幅に向上します。たとえば、電子カルテや予約システムの導入によって患者さんの情報を迅速かつ正確に把握でき、無駄な業務を減らすことが可能です。

また、スタッフ間の情報共有が容易になることで、より効率的なチーム医療を実現できます。

待合室の感染症対策を徹底する

待合室の感染症対策を徹底することは、患者さんとスタッフの安全を守るための最重要事項です。定期的に待合室の清掃と消毒を行い、接触頻度の高い場所はとくに念入りに消毒するようにしましょう。

また、感染対策に伴い、人員やスペースの確保が必要となるため、待ち時間が増えないよう導線の工夫が大切です。

新聞や雑誌を置いて待合室の快適性を高める

新聞や雑誌を待合室に置くことも、ストレス軽減に効果的です。診察を待つ間、時間を持て余してしまう患者さんは多くいます。その場合に新聞や雑誌があれば、その時間を有意義に過ごすことができます。

患者さんの層に合わせて、絵本や文庫本、漫画本など喜んでもらえそうな本を揃えてみましょう。待合室の環境を整えることは、病院全体の評価にもつながります。

病院内・待合室のWi-Fiの環境を整える

Wi-Fiの環境を整え、待ち時間を快適に過ごしてもらうようにするのも工夫の1つです。置いてある雑誌を読み終えてもまだ呼ばれない、となれば大きなストレスになります。そこで患者さんが待合室でスマートフォンやタブレットを利用する際に、安定したインターネット接続があれば時間を有意義に使え、ストレスを軽減することができるでしょう。

一度設定すれば継続的に利用できることから、Wi-Fiの設置はコストパフォーマンスも高くおすすめです。

待合室の備品やレイアウトを見直す

待合室の環境をできるだけ整えるなど、患者さんに快適にお待ちいただくための配慮も効果的です。たとえば、椅子やソファ、スリッパなど、患者さんが使用する備品が古くなっている場合は、使い心地のよいものへ買い換えましょう。一度に買い換えるのもよいですが、気づいた段階で順次買い換えていくと、常に清潔な状態が保てます。

また、椅子やソファの配置を変えて、患者さん同士のプライバシーに配慮するのもおすすめです。

定期的に患者さんに説明や声かけを行う

待ち時間の短縮につながるシステムの導入や整備に加えて、スタッフの対応も大切です。「システム表示を見れば何人待ちか分かるだろう」と考えず、受付の際に一言、「今日は混んでいます」、「30分程度お待ちいただく可能性があります」など、言葉を添えるとよいでしょう。

ご高齢の方などにはとくに、「あとどのくらいで診察ができるか」を説明することで、待ち時間のストレスを軽減できます。

診療時間・曜日を拡大する

診療時間の拡大は来院者の分散を図り、待ち時間を大幅に減少させることができる施策です。医療従事者の業務負担を分散させる効果もあり、スタッフと患者さん、どちらにもメリットがあります。スタッフが余裕を持った状態で仕事できるため、サービスの質も向上するでしょう。

また、患者さんが自分の都合に合わせて診療を受けやすくなるため、満足度の向上にも寄与します。

スタッフの稼働数を見直す

スタッフの稼働数を見直し、病院の待ち時間が短縮できないか検討してみましょう。たとえば、受付スタッフの数を増やせば初診の手続きが迅速に行え、診療までの時間を短縮できます。

そのためにも、現在のスタッフのシフトや配置を確認し、どの時間帯にどれだけのスタッフが必要かを正確に把握することが必要です。

【病院経営者向け】待ち時間短縮や業務効率アップを図るには?

病院の待ち時間を短縮するために、各システムの導入やスタッフの稼働数整備などさまざまな方法があります。しかし、そもそもの原因が人手不足である場合もあるでしょう。どんなに便利なシステムを導入したとしても、最終的には対応するスタッフが必要です。

ソラストでは、医療分野に特化した人材の派遣・紹介を行っています。求人を出してもなかなか人が集まらない、雇っても教育するのに時間がかかるなどの問題を抱えている経営者さまもいるでしょう。病院の待ち時間対策や、院内における業務効率化を目指したいという病院経営者さまには、ソラストの人材派遣・紹介がおすすめです。

待ち時間対策をして、病院の評価をアップさせましょう

本記事では病院の待ち時間対策について紹介しました。外来患者の待ち時間は「15分未満」が最も多くなっています。これよりも長い待ち時間が発生することが多い場合には、対策をした方がよいでしょう。

いつも待たされるという印象を持たれると、リピート率が下がる場合もあります。スタッフも時間に追われている状態では、充分なサービスを提供できないなんてことも。順番管理システムや待ち時間が可視化できるシステムを導入するなど、できることから対策を始めてみましょう。

あわせて、人材がきちんと確保されていることも重要です。システムを導入するだけでなく、上手に活用し待ち時間短縮につなげられる人材が必要です。

ソラストの医療事務人材派遣サービスでは、医療分野に特化した人材の派遣・紹介を行っています。充実した教育システムを受け、的確に業務を遂行します。あらゆる病院経営のお悩みにはソラストの病院経営支援サービスもおすすめです。病院経営にお悩みの方は、ぜひ一度ソラストにご相談ください。

著者プロフィール

著者:ソラストオンライン
サイト管理人
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