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【経営者・院長向け】クリニックの採用面接のポイント・注意点を解説

公開日/2024.10.29 更新日/2024.10.29

クリニックの採用面接においては、より効率よく適した人材を見極めたいものです。今回は、経営者さまや院長さまに向けて、クリニックの採用面接時に聞くべき質問や注意点を解説します。質の高い面接を実現できれば、よりよい人材の確保が可能です。クリニック運営を成功させたい人は、ぜひ参考にしてください。

クリニックの面接が大切な理由

・サービスの質や業務効率に関わるため
・職場内の人間関係の問題に影響するため
・クリニックの集患に影響するため
・クリニックの評判や患者満足度につながるため

クリニックの面接は、経営者や院長が新たなスタッフを採用するうえで、非常に重要なステップです。適切な人材を見極めることで、クリニックの運営効率や患者満足度を向上させられます。

面接は応募者のスキルや経験の確認だけでなく、クリニックの文化や価値観に合った人物かどうかを判断する重要な場です。面接の質が高ければ高いほど、優秀な人材を確保しやすくなります。質の高い面接は、クリニックの成功に直結するといえるでしょう。

クリニックの面接を成功させるポイント7選

クリニックの面接を成功させるためには、以下で解説するポイントが重要です。ぜひ今後の面接時に役立ててください。

求める人材の要件を固めておく

まずは、クリニックとしてどんな人材がほしいかをリストアップし、基準を明確にしましょう。どのような人材を求めるかによって、面接で掘り下げる内容が変わります。欲しい人材のイメージが曖昧だと、採用のミスマッチにつながりかねません。

また、求人の募集条件は丁寧に記載することも、予防策として有効です。

履歴書を事前にチェックする

面接を始める前に、候補者の履歴書のチェックは非常に重要です。履歴書には、候補者の経歴・スキル・志望動機などが記載されています。事前にこれらを把握しておくと、面接時の質問を組み立てやすいです。スムーズに質問できれば、候補者の適性を見極めやすくなるでしょう。

また、履歴書は候補者の経歴に一貫性があるか、特定のスキルや経験が求められるポジションに適しているかを判断する材料にもなります。

質問すべきポイントを洗い出す

面接を効果的に進めるためには、事前に質問すべきポイントを洗い出しておくと安心です。候補者の業務経験・スキル・志望動機・前職での業績など、クリニックにおいて必要とされる能力や適性に関する質問を準備しておきましょう。

必ず聞く内容は事前にまとめておき、必要に応じて深掘りするのがポイントです。焦点を絞った質問をすると、候補者の適性を正確に評価できます。

オープンクエスチョンで問いかける

面接では、オープンクエスチョンを活用して候補者に話をさせることが重要です。オープンクエスチョンとは、「はい」や「いいえ」で答えられない質問を意味し、候補者の考えや意見を引き出す効果があります。

たとえば、「これまでの経験でもっとも印象に残っているプロジェクトはなんですか?」といった質問をすると、候補者の具体的な経験やスキルを詳しく知れます。さらに、コミュニケーション能力や問題解決能力も評価できるため、積極的に活用していきましょう。

話し方や身だしなみにも着目する

クリニックの面接では、質問の回答内容だけでなく、候補者の話し方・表情・身だしなみ・振る舞い方など、さまざまな面に注目しましょう。多くの候補者は、対策や練習をしたうえで面接に臨んでいるため、質問の想定や回答の準備をしている場合が多いです。そのため、候補者の人柄を知るためには、受け答え以外の部分もしっかりと注目する必要があります。

また、話しているときの表情から、患者さんとの接遇をイメージできるかも確認しましょう。クリニックに訪れる患者さんは、お悩みを抱えていることが多いです。そのため、優しい口調で柔らかい笑顔がある方だと、患者さんも安心する対応が期待できます。

スタッフなど第三者を同席させる

面接を行う際は、スタッフなど第三者を同席させることも有効です。第三者が同席すると、複数の視点から候補者を評価でき、より客観的な判断ができます。

また、第三者がいることで、面接官自身もリラックスでき、より自然な雰囲気で候補者と対話ができるでしょう。さらに、第三者の同席は、面接官が見逃しがちなポイントや候補者の発言を補完する役割も果たします。

採用者の対応も見られていることを意識する

クリニックの面接は、基本的には職員の採用のために行うものです。しかし、求職者も「自分に合う職場かどうか」をよく見ています。そのため、採用面接での面接官の対応や姿勢によっては、「自分には合わない職場」と判断されるケースもゼロではありません。

候補者に注目するのはもちろんですが、面接官自身も見られていることを念頭において進めていきましょう。候補者から見て、「この職場で働きたい」と思ってもらえるような対応を心がけてください。

クリニックの面接で聞くべき質問6選

クリニックの面接で聞くべき質問を紹介します。これらの質問は積極的に取り入れ、質の高い面接を目指しましょう。

志望動機

志望動機を尋ねることで、候補者がクリニックに対してどのような興味や関心を持っているのかを把握できます。単なる職務の一環としてではなく、クリニックの理念や方針に共感しているかどうかの確認が重要です。具体的かつ一貫性のある志望動機だと、その候補者の志望度は高いといえるでしょう。

また、志望動機を通じて、候補者のキャリアビジョンや目標を知れます。さらに、長期的な視点での雇用適性の評価が可能です。

前職の退職理由

前職の退職理由を聞くことで、候補者がどのような環境や条件で働くことを望んでいるのかを理解できます。その際は、退職理由がクリニックの運営方針や職場環境と合致するかどうかの確認が重要です。もし、現在のクリニックの環境が退職した職場環境と酷似している場合、ミスマッチが発生しやすいため注意しましょう。

また、退職理由を深掘りすると、候補者の問題解決能力やストレス耐性を評価できます。前職での困難をどのように乗り越えたのかを知ると、将来的なトラブルへの対処能力を見極められるでしょう。

職務経歴・業務に活かせるスキル

過去にどのような業務に取り組んできたか、活かせる経験があるかは、しっかり掘り下げて聞くべき内容です。候補者が持つ具体的な経験やスキルを尋ねることで、クリニックの業務にどれだけ貢献できるかを見極める指標になります。とくに、医療関連の資格や実務経験があるかどうかは重要なポイントです。

また、過去の職務で培ったスキルが、クリニックの業務にどのように応用できるかを具体的に説明してもらいましょう。似たような経験やスキルがあれば、実際の業務でも活躍が見込める可能性が高いです。

なお、職歴がない場合は、代わりに学歴や学生生活・私生活で打ち込んだことを聞いて判断するようにしましょう。

働き方の希望

働き方の希望を聞くことで、候補者がどのような勤務形態を望んでいるのかを理解できます。フルタイム・パートタイム・シフト制など、クリニックの運営に適した働き方を選ぶことが重要です。

また、働き方の希望を通じて、候補者のワークライフバランスや家庭の事情など、個別のニーズにも対応できます。たとえば、お子さまがいる場合は時短勤務を選択するなど、柔軟な対応を心がけましょう。これにより、長期的な雇用関係を築くための基盤を整えられます。

給与や待遇の希望

給与や待遇についての希望を尋ねることも重要です。面接時の確認によって、候補者がどのような報酬体系を期待しているのかを把握でき、ミスマッチ防止につながります。

また、希望の待遇面を細かく把握できれば、候補者のモチベーションや満足度を高めるための施策を講じられます。将来的に長く働いてもらうためにも、しっかり確認しておきましょう。

逆質問

採用者側から一通り質問をし終えたら、候補者に対して「ほかに質問はありますか?」と逆質問を投げかけましょう。逆質問では、その候補者がとくに知りたいポイント、採用においてなにを大切にしているかなどを判断するのに役立ちます。

逆質問の内容も重要で、具体的な質問であれば候補者がクリニックで働くイメージがついているといえます。一方で、ホームページを見ればわかるような質問の場合は、企業研究が不十分なためミスマッチが起こる可能性があるため注意が必要です。

クリニックの面接での注意点【面接官向け】

クリニックの面接は、候補者に対して公正で透明性のあるプロセスの提供が重要です。また、厚生労働省は採用時に配慮すべき事項として以下をあげています。

【就職差別につながるおそれがある 14事項】 ・本籍・出生地
・住宅状況
・家族
・生活環境・家庭環境
・宗教
・人生観・生活信条
・思想
・購読新聞・雑誌・愛読書など
・支持政党
・尊敬する人物
・労働組合・学生運動といった社会運動
・身元調査
・合理的・客観的に必要性が認められない採用選考時の健康診断
・本人の適性・能力に関係がない事項の把握(質問・応募書類)

出典:厚生労働省「採用選考時に配慮すべき事項」

上記のほか、求職者が回答に悩んでしまう質問を執拗に続ける行為は控えましょう。面接に来る方は近隣に住んでいる方が多く、面接で問題が起きた場合、クリニック全体の信用問題に発展する可能性もあります。求職者に対しても、患者さんと同じように丁寧で慎重な対応を行いましょう。

また、クリニック側としても、採用者に辞退されずに選んでもらうための努力が欠かせません。dodaが2023年に実施した調査では、転職希望者の91.9%が2社以上に応募しています。近年、労働人口の減少や求人倍率の増加が顕著なため、優秀な人材に辞退されないような対応を心がけましょう。

出典:doda「転職成功者の「平均応募社数」は?」

質の高い面接を心がけ、クリニックを成功へ導こう

面接は、一緒に働くスタッフを採用するための重要なステップです。そして、スタッフの質はクリニックの評判にも直結するため、慎重かつ丁寧に行いましょう。聞くべき質問や注意点をしっかり意識すれば、面接の質が高まり、クリニック運営の成功に近づきます。

また、求職者に注目するだけでなく、面接官自身も見られていることを忘れずに面接に挑みましょう。

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著者プロフィール

著者:ソラストオンライン
サイト管理人
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