医療事務は在宅ワーク可能?導入のメリットや採用の注意点を開業医向けに紹介
医療事務の業務には事務作業が多く、一部業務の在宅ワークが可能です。近年、働き方の多様化が進んでいることから、医療事務でも在宅ワークが導入されるケースも徐々に増えつつあります。今回は、医療事務の在宅ワークについて押さえておきたいポイントを詳しく解説します。医療事務の在宅ワーク導入をお考えの経営者の方は、ぜひ参考にしてください。
医療事務にも在宅ワークを導入できる?
医療事務にも在宅ワークの導入は可能です。近年、さまざまな業界で在宅ワークの導入が進んでおり、医療事務も例外ではありません。そのため、医療事務の在宅ワーク求人は近年増加傾向にあります。
また、働き方改革の一環として、在宅ワークをはじめとした多様な働き方を推進する動きもみられます。業務によっては在宅ワークが難しいものもありますが、カルテ登録やレセプト業務などの一部事務作業は在宅ワークでも対応可能です。
医療事務の業務で在宅ワークにできるもの・できないもの
在宅ワークで対応できる業務 | 在宅ワークで対応できない業務 |
---|---|
・レセプト業務(一部) ・クラーク業務(一部) |
・直接対面での窓口対応 |
医療事務の業務は完全な在宅ワークは難しく、一部業務が在宅ワーク可能です。在宅ワークで対応できる業務とできない業務について、詳しく解説します。
在宅ワークで対応できる医療事務の業務
・クラーク業務(一部)
レセプト業務とクラーク業務は、いわゆる事務業務であるため、在宅ワークでの対応が可能です。具体的には以下のような業務を指します。
・レセプト業務(一部)
・保険者への請求
・レセプト返戻の対応 など
レセプト関連の業務は、在宅ワークで対応可能な医療事務の仕事です。レセプトとは「診療報酬明細書」のことで、診療や検査の内容、かかった費用の内訳などを示した書類です。診療報酬を請求するには、このレセプトを作成する必要があります。
レセプトは、レセプトコンピューターを使って作成します。レセプトソフトの入ったパソコンがあれば、在宅でも業務が可能です。保険者が負担する医療費の請求やレセプト返戻があった際も在宅で対応できます。
・クラーク業務(一部)
・データ入力
・医師や看護師との連携 など
クラーク業務も、在宅ワークで対応可能な医療事務の仕事です。具体的な業務内容は、電子カルテの入力や修正、医療機関間の書類のやり取り、またオンライン上で医師や看護師と連携し、指示に沿って業務を行ったりすることもあります。
インターネットを通じて安全にアクセスできるシステムが整備されていれば、医療機関外からでも効率的にクラーク業務が進められます。
在宅ワークで対応できない医療事務の業務
・患者さんのご案内
・患者さんからの問い合わせ対応(対面・電話)
・会計業務
・窓口における処方箋の発行 など
現場で患者さんや医師などのスタッフと対面して行う必要のある業務は、基本的に在宅ワークでは対応不可能です。
具体的には、患者さんの受付や会計業務、診療スケジュールの調整や医師・看護師との直接的なコミュニケーションが必要になる業務が該当します。また、電話や窓口での患者さんからの問い合わせ対応も在宅ワークでは難しいでしょう。緊急時の対応や患者さんの身体状況の確認が必要なケースも、現場での迅速な対応が必要とされます。
一方、オンライン診療を取り入れている医療機関の場合、直接的なコミュニケーション以外の方法で受付などの対応ができるようになっています。
医療事務に在宅ワークを導入する4つのメリット
一部業務を除き、医療事務の仕事は在宅ワークでの対応が可能です。医療事務に在宅ワークを導入するメリットとして、下記4つが挙げられます。
近年の在宅ワーク需要に対応できる
近年、さまざまな業界・職種で在宅ワークの需要が高まっています。医療事務の分野も例外ではなく、業務の一部を在宅で行うことが可能になりつつあります。在宅ワークが導入しやすくなった背景には、ICTの活用やDX化の推進を受け、オンラインでのデータ管理や情報共有が容易になったことが挙げられるでしょう。
在宅ワークの需要に応えることで、医療機関は時代のニーズに即した経営が可能となります。
応募者の幅が広がり、人材不足解消につながる
在宅ワークの導入は、人材確保の点でも大きなメリットがあります。通勤が難しい地域や家庭の事情でフルタイム勤務が難しい人たちにも、在宅ワークなら働く機会が提供できるため、応募者の幅が広がるでしょう。
多様な働き方の導入により、これまで採用が難しかった優秀人材の確保にも期待できます。
コストの低減を目指せる
在宅ワークの導入により、医療機関の運営コスト削減にもつながります。在宅ワークに切り替えることで、光熱費やスタッフの交通費、出勤にかかる移動時間などのコストが削減可能です。また、通勤手当などの削減もでき、従業員に対する福利厚生を見直すことにもつながります。ただし、初期投資が多い分、コスト低減に至るには長期間かかることに注意が必要です。
スタッフの業務効率・生産性の向上につながる
在宅ワークの導入は、スタッフの業務効率と生産性の向上にも寄与します。自宅なら自分たちが集中力を高められる環境を整えられ、業務の質を向上させられるでしょう。また、自分たちのペースで仕事を進められるため、効率的な時間管理もできるようになります。
さらに、人と会うことなく仕事ができるため、職場の人間関係によるストレスを軽減し、精神的な健康を維持することにもつながります。
医療事務に在宅ワークを導入する4つの注意点
一方、医療事務に在宅ワークを導入することは、上記のようなデメリットもあります。在宅ワークの導入に失敗しないためにも、あらかじめデメリットについても押さえておきましょう。
個人情報の取り扱いに注意する必要がある
医療事務は、患者さんの個人情報を扱うことが非常に多い仕事です。そのため、在宅ワークでは、個人情報や医療機関内の重要なデータの取り扱いに細心の注意が必要です。情報の紛失や漏洩のリスクを軽減し、安全に在宅ワークができる環境の構築が求められます。
万全なセキュリティ対策が欠かせない
情報漏洩を防ぐため、データの暗号化やアクセス制限を徹底し、適切なセキュリティソフトを導入することも不可欠です。また、在宅ワークを行うスタッフをはじめ、医療機関で働くすべての従業員に対して、セキュリティ教育を実施する必要があります。
セキュリテイ対策に関する研修を定期的に行い、従業員全体で意識向上を図ることも大切です。
在宅ワークの機材や環境を整備する必要がある
在宅で医療事務業務を円滑に進めるには、適切な作業環境と機材の準備が不可欠です。PCを貸与する場合は、レセコンソフトを入れたものを用意する必要があります。また、ネットワーク環境や機材トラブルが起こる可能性も想定し、イレギュラー時の対応を整えておくことも欠かせません。
なお、前提として在宅ワークができる環境を整備するには、事前に医療DXや業務フローが整備されていることが必要です。
迅速な情報共有手段を確保する必要がある
在宅ワークでの業務は対面でのコミュニケーションができないため、時によっては業務が円滑に進まない可能性があります。たとえば、緊急時の対応が必要な場合や複雑な手続きが絡む業務では、意思疎通の遅れが発生しやすくなるでしょう。
在宅ワークを円滑に進めるには、業務の進捗状況を定期的に確認し、問題発生時には早急に対策を講じることが求められます。また、オンライン会議ツールやチャットアプリを活用し、迅速な情報共有を行いことも欠かせません。
在宅ワークの医療事務を採用するときに見るべきポイント【病院経営者・開業医向け】
医療事務の在宅ワークを導入する場合、在宅でも問題なく業務を遂行できる人材が必要です。ここでは、在宅ワークの医療事務人材を採用するときに見るべき、下記4つのポイントをご紹介します。
医療事務の実務経験があるか
在宅ワークの医療事務を採用する場合、一定の実務経験がある人材を選ぶことがポイントです。経験者であればおおまかな業務の流れを理解しており、業務における適切な判断力を持っていると考えられます。こうした人材であれば、コミュニケーションが限られる在宅ワークでも即戦力として期待できるでしょう。
医療事務の関連資格を持っているか
在宅ワークの医療事務を採用する場合、関連資格を持っているかもチェックすべきポイントです。実務経験に加え、医療事務に関連する資格を持っていれば、基礎的な知識やスキルを保有しています。無資格者に比べて業務への理解度が高く、専門的な対応も単独で進められるでしょう。
在宅ワークの要領に慣れているか
在宅ワークに慣れているかも重要なポイントの1つです。自宅での作業は、自己管理能力や時間管理が求められます。在宅ワークに慣れている人はその要領がわかっているため、業務をスムーズに進められ、トラブル発生時も迅速に対応できるでしょう。
また、インターネット環境やシステムについて基本的な知識があるか、オンラインツールやコミュニケーション手段に精通しているかもチェックしておくと安心です。
コミュニケーションスキルが高いか
在宅ワークであるからこそ、コミュニケーションスキルが重要です。対面でのコミュニケーションが難しいなかでも、適切な情報共有や報告が行える人材は、業務を円滑に進行できます。
医療事務は多くの関係者と連携する必要があるため、明確かつ迅速なコミュニケーションが求められます。リモート環境でも他のスタッフや患者さんと良好な関係を築く能力は、業務の質を高めることにもつながるでしょう。
医療事務の採用にお悩みならソラストのサービスがおすすめ
医療事務の不足に悩んでいる医療機関は多いものの、なかなか良い人材を採用できないと悩んでいるケースも少なくありません。医療事務の採用にお悩みの場合、ソラストのサービスをご活用ください。
ここでは、医療事務の採用をサポートするソラストの2つのサービスをご紹介します。
医事業務のリモート代行「スマートホスピタルiisy」
自院の医療事務に在宅ワークの導入を検討している場合、ソラストの「スマートホスピタルiisy」の導入がおすすめです。
「スマートホスピタルiisy」は、リモートでレセプトチェック等の医療事務業務を代行するサービスです。医療事務業務の豊富な経験と高い専門性を活かし、ソラストならではのサポートを提供しています。「スマートホスピタルiisy」では、医療機関のスタッフが「医業」に集中できる環境づくりをサポートします。
人材不足の解消には「医療関連人材派遣・紹介サービス」
ソラストでは、リモート代行以外にも医事関連の人材派遣・紹介サービスも展開しています。「医療関連人材派遣・紹介サービス」では、窓口業務やレセプト業務などに対応できる専門性の高いスタッフの派遣が可能です。人材不足や採用コストでお悩みの病院経営者や開業医の方をサポートいたします。
医療事務は一部業務で在宅ワークが可能!現代の働き方のニーズに対応しよう
医療事務業務のうち、レセプト業務やクラーク業務といった事務業務であれば在宅ワークでの対応が可能です。近年、医療業界も含めさまざまな業界・職種で在宅ワークの導入が進んでいます。現代の働き方のニーズに対応するためにも、医療機関内のICT活用を進め、医療事務に在宅ワークを導入してみましょう。
ソラストでは、病院経営者や開業医の方を支援するさまざまなサービスを展開しています。医療事務の在宅ワークやリモート代行、医療人材の不足などにお悩みの方はぜひ一度ご相談ください。